パクリってなんだろう?

ソニーからCD発売もしている有名ニコ動ボカロ作曲者ジミーサムPがパクリ発覚して発狂wwwwwwww:ハムスター速報

ニコ動では有名ボカロPのジミーサムPさんがパクり疑惑で叩かれているようです。

しかしそもそもパクリとはなんなのでしょうか・・・?

考えてみましょう。


まず、パクりについて考える上でとても重要な前提2つです。

①一度も音楽を聴いた事が無い人は音楽を作る事は出来ない。
②生まれてからAという曲しか聴いたことが無い人に作曲させると、Aと同じ物が出来上がる。


①について、そもそも音楽を知らないのですから音楽を作る事は出来ません。ここで逆に考えてみましょう。なぜ音楽を知っていると音楽を作れるようになるのでしょうか。それは「音楽とはこういう物」という「音楽の枠組」みを既存の曲から学んでいるからです。音楽の枠組みに従う事で、初めて音楽は作れるのです。


そこで②について考えます。音楽をAというたった1曲しか聴いたことがない人にとっては、①の「音楽の枠組み」はイコール「A」という楽曲になります。従って、この人が音楽の枠組みに従って曲を作るとそれはAになります。この人は他人が作ったAという曲と同じ物を作ってしまったわかですから、パクリと言われそうです。


さて、そして③です。

③AとBと2曲を聴いた事がある人は、AでもBでもないオリジナル曲Cを作れる。


AとBとを聴くと途端にオリジナル曲Cが作れるようになるのはなぜでしょうか。それはとても単純な話で、AとBとをチャンポンして1曲にすればそれは別の曲のように聴こえるからです。

例えば、

イントロ:A
Aメロ:B
Bメロ:B
サビ:A

のような感じにすればAともBとも違う曲Cが出来上がります。これをオリジナル曲といいます。


ただし、せっかくオリジナル曲が出来上がっても、この状態だとイントロとサビがAと全く同じなので、世間からはパクリと言われてしまいそうです。


でもなぜか世間にはパクリと言われないオリジナル曲がたくさんあります。どうしてでしょうか。

それは、AとBとCとDとEとFとGとHとIとの、10曲を聴いたことがある人のケースを考えると分かります。

この人は10曲もの曲を知っているので、

イントロ:A+B+C
Aメロ:C+D
Bメロ:E+F
サビ:G+H+I

といった具合に、複雑な構成の楽曲を作る事が出来るからです。

A+B+Cってどういうこと?となかなか馴染めないかもしれませんが、「リズムはAで、コード進行はBで、音色はC」のような感じですね。


このように既存の楽曲を「リズムやコード進行や音色やメロディ」といった構成要素に一度細分化して引き出しにしまっておき、これらの要素を複合して再構成することでオリジナル曲というのは作られています。

例えば、ポップスなんかでは「F G Em Am」というコード進行がとても高頻度で使われているいう事実からも、既存の楽曲を細分化した各構成要素を引用する形で新しい曲が生み出されている事が分かります。あるいは、ポップスやロックやジャズといった、ジャンルによって曲調が違うという事実からも伺えます。

今まで聴いてきた音楽が作曲者の作風に影響するというのもこれで説明出来ます。


さて、ここまででパクリと呼ばれる曲と呼ばれない曲と出てきましたので、その違いも分かりますね。


パクりと呼ばれる曲 :AとBからしか引用していない。
パクりと呼ばれない曲:AとBとCとDとEとFとGとHとIとの10曲から引用している。


両者の違いはどれだけ多くの楽曲から引用してるか、つまり、引用する時の細分化の粒度の違いだけなのです。

こうなってくると、片方だけを悪者扱いするのは無理があるように思えます。どちらもやっていることは同じなのです。


ということで、パクり批判ほど無益なものはないんじゃないかなぁと僕は思うんですが、どうなんでしょうね・・・?