自転車が車道走ると死亡事故が増えるんじゃないでしょうか。。。

歩道ガラガラでも自転車は車道…困惑の車王国:社会:YOMIURIONLINE(読売新聞)

自転車が歩道を走るのを徹底して取り締まろうという流れのようです。そもそもなぜ自転車が歩道を走るのが危ないのかというと、歩行者との相対速度が大きいからです。

それぞれの平均速度はだいたい以下くらいです。

歩行者:5km/h
自転車:15km/h

自転車と歩行者との事故になっちゃうようなケースでは大体自転車側がとばしているケースが多いと思うので、自転車側が25km/hくらい出ているのでしょうか。

そうすると、歩行者と自転車の相対速度というのは大体10〜20kmということになります。この速度で自転車は歩行者の横をすれ違っていく事になります。正面からなら相対速度は20〜30km/hですれ違います。


さて、自動車の法定速度は60km/hです。つまり自動車と自転車の相対速度は35〜45km/h。正面なら75km/h〜85km/hの速度ですれ違うことになり、これはもはや高速道路の世界です。

すれ違いの速度が速ければ速いほど避けるのは難しくなるので、自転車が歩行者をかわすよりも、自動車が自転車をかわす方が難しいです。車道の方が広いじゃないかという意見もあるかもしれませんが、車幅に対してそれほど余裕を持って車道は作られていないため、自転車に許されるスペースというのはかなり狭いです。


また、いざ衝突した時の衝撃も桁違いです。

mv^2というのが物体のエネルギーですから、後ろからぶつかった時を考えると、人からみた自転車のエネルギーが大体24000程度なのに対し、自転車からみた自動車のエネルギーは2835000程度になり、100倍も違う事になります。この違いは死亡率に直結します。


そして一番やばいのが、”自転車が転ぶ確率はバイクに比べて遥かに高い”という事です。時速60km/hの車の空走距離が約15m、制動距離が約30mなので前方45m以内で自転車が転んだらこれはもうどうしようもありません。特に自転車というのは下は小学生から上はご老人まで、あらゆる人が乗っている乗り物なので、自転車に乗れるようになったばかりの小学生に転ばない(あるいは蛇行しない)運転を期待するのは無理なんじゃないでしょうか。


っていうわけで、自転車が車道を走るのはどう考えても危ない感じがするのですが、自転車を車道に追い出すんじゃなくて、歩道上の自転車を取り締まる方向のがいいんじゃないですかね。