TPP反対意見についての反対意見

僕は基本的にはTPPに賛成なのですが、TPPへの反対意見とそれへの反論をまとめておきましょう。


・農業が駄目になる

TPPでの農業問題というのは、米の問題と言って支障ないです。
野菜はすでに関税低いのでほぼ影響ないです。鮮度が高い方が圧倒的に品質が良いというのもあります。

しかしTPPに参加しても米の値段が高くなるわけではありません。安い米が入ってくるだけだです。

3000円の米は今まで通りの価格で買えて、新しく1000円の米が入ってくるだけ。3000円の日本産米が食べたい人は今まで通り食べればいいし、3000円だと高すぎて家計が苦しかった人は1000円の米を買うことが出来るようになるわけです。

1000円の米を買う人が増える分だけ3000円のコメ農家は減るでしょうが、コメ農家じゃない僕達にとって何が問題になるのかよくわからないですね。それよりも今まで3000円の米だと高すぎて大変だった人達が1000円の米を買えるようになるのですから、とても良いことじゃないでしょうか。

結局のところ、TPP反対派の主張は食料自給率問題という観念的な問題に帰結していて、食料自給率向上派の人達に合理性がないのでTPP反対派の人達にも合理性がないですね。



・輸出は増えない

TPPをしたからといって急激に輸出が増えたりすることはないでしょう。しかし間違いないのは、海外からの輸入品がより安くなってたくさん僕達の元に届けられるということです。

輸出が大事とかよく言いますが、そもそもなんで輸出して外貨を獲得することが大事なのでしょうか。それは獲得した外貨で、海外から商品を買う(=輸入する)ためです。TPPで輸入が増えるのですから、この目的は達成されています。



・保険が駄目になる

国民健康保険というのは、労働者から保険料を徴収して、病人(主に老人)の治療費に充てるというものです。

どうもTPP反対派の方々の間ではこの制度が素晴らしくて、TPPで自由化したら壊されてしまうという恐れを抱いている方がたくさんいるようです。


しかしながら、一度落ち着いて考えてみてください。国民健康保険のこの仕組みって何かに似ていませんか?

現役生代から金を徴収して老人へ配分する。そうこれは年金と同じです。つまり年金と同じく、日本の国民健康保険というのはこれからの超高齢化社会に対応出来ない仕組みで運営されているのです。

そんなものを守っていても、良い事はありません。それよりもむしろ自由化して、生産性が向上する方を考えた方がまだ明るい未来の可能性が大きいのではないでしょうか。



知財が問題

これは僕も問題だと思います。要求項目を見ると、保護期間延長や非親告罪化など、保護強化の方向に向かうものばかりです。

ただ以下の事を考えると、知財が問題だからTPPも問題と結論ずけるのは早計のようにも思います、。

知財関連はTPPの中では些細な項目である。そのため、知財要求を跳ね除けてもTPP全体が破綻することはない。

②そもそも考えてみると、知財関連ではアメリカの方が何歩も先を進んでいる。日本では相変わらず既得権益保護のために使われまくっている。たしかに今回の要求項目だけ見ると保護強化になってしまうが、アメリカのようなフェアユースの導入をセットで検討すれば、全く改善される気配のない日本の知財分野がアメリカ式になるということはむしろ良い面がある。



・雇用が減る

これも確かに問題になるのでセーフティネットの導入が必須です。差し当って急務なのはコメ農家に対する保障です。

これは問題なのですが、ではこのためにTPPに反対するのかというとそれも疑問です。いずれにしろ、将来的に日本国内の雇用は減少するからです。新興国の労働者と日本の労働者のコストパフォーマンスを比較すれば当然の事で、日本人労働者はコストパフォーマンスが悪すぎます。

日本企業が日本人を雇い続ければその分だけ生産性が落ちて雇用元の企業自体がやっていけなくなるので、TPP云々に関わらず、いずれにしろ日本国内で雇用を増やして今までのようにやっていくというのはもう不可能なのです。日本人は新興国が真似出来ないような高い技術の仕事をするか、国内で閉じているサービス業をしていくしかありません。

むしろ、日本企業の生産性を徹底的に向上して稼げる日本企業を作ることで、稼いだ日本企業から税金という形でお金を国内へ再分配するようなモデルを作ることが現実的です。そのためにはappleのように企業の生産拠点を賃金の安い新興国へ移していく事が必要で、これにはTPPは追い風になります。特に日本企業にまだ力の残っている今のうちにこれを実行しないと、後々になってからでは手遅れです。



TPPは米国の陰謀で日本は植民地化される

なんの根拠もない言い掛かりですかね。アメリカでも反対運動はあります。